こんにちは、ナスビーニョです。
前回、こんな記事を書きました。
楽天VTIとVTIに関しては以下の点で楽天VTIのほうがメリットがある
- 購入手数料がない
- 配当金は自動的に基準価額に反映される(国内課税がされない)
しかし、今回SBI証券がVTIを含めた複数のETFの買付手数料無料を発表しました。
参考:SBI証券該当ページ
そこでもう一度検証をやり直したいと思います。
1. 仮定
今回のシミュレーションの設定は以下の通りにします。
- 購入時手数料はVTI・楽天VTIともに0ドルです。
- 国内の特定口座での比較です。
- 楽天全米株式またはVTIを購入する月額予算を5万円とします。
- 2017年11月から毎月初に積み立てします。
- 円をドルに転換する為替手数料は4銭とします。SBIネット銀行+SBI証券でしか4銭が最低手数料になっています。
- ドル転時の為替は始値を適用しています。VTI購入についても始値で購入しています。
- 毎月の購入予算5万円ぴったりにはETFを買えませんが、端数は翌月に回します。
- VTIの保有株数に応じてもらえる配当金に10%の米国課税を適用、さらに20.315%の国内課税を適用します。
- 配当金を再投資する場合だけで比較しますが、配当金の再投資は毎月初の積み立て時にまとめてVTIを購入することで行います。
- 楽天全米株式の積み立て金額は、毎月5万円とし、(VTIの評価額+端数)の円換算で比べます。
- 信託報酬料は前日の評価額から引きます。その際には年間信託報酬料を年営業日で割ったものを使いました。
- 楽天VTIの信託報酬料は0.165%、VTIは0.03%です。
- 外国税額控除は無視します。
2. 結果
毎月5万円の積立を行ったとき(元本合計155万円)
楽天VTIでは160万1686円
VTIでは159万9981円です。
僅差ながら、VTIの勝利!? それではグラフを順番に見ていきます。
評価額の差(円)
まずは評価額の差(円)からです。
もはや肉眼では差が分かりません!!!!
評価額の差(%)
続いて楽天VTIとVTIの評価額の差を楽天VTIで割った、評価額の差(%)を出します。
これは、楽天VTIに比べて、VTIがどれだけ乖離しているかを表します。
上に突き抜けていれば、楽天VTIの方が評価額が大きかったと解釈することが出来ます。
このグラフより分かることは、
- 楽天VTIの方が最終的に評価額が大きくなっていること
- 楽天VTIの方が下落に弱いこと
楽天VTIのほうがリターンが大きくなっていると言っても、途中でVTIの方がが評価額が大きい場合もあるのでまぐれともいえます。
米中貿易戦争2019年5~6月、コロナショック2020年3月においては、楽天VTIのほうが評価額が小さくなっています。
これはシミュレーションの設定によるものだと思われます。
というのも、楽天VTIであれば5万円全額買付が出来ますが、VTIに関しては待機資金がいくらか発生します。
その待機資金に関しては、下落を免れるのでこういった現象が起こっていると言う訳です。
まとめるならば、上昇時には楽天VTIが恩恵を受け、下落時にはVTIが恩恵を受けるといった構図になります。
リターン
続いて、リターンのグラフです。
肉眼では差が分かりません!!!!
リターン差(%ポイント)
リターン差を%ポイントで見た場合には、やはり下落時に楽天VTIのリターンが下がっていることが分かります。
しかし、こちらについても先ほど書いた理由によって説明されるでしょう。
3. 結論
今回の結果は意外なものになりました。
結論としては、楽天VTIとVTIに明確な差はあると言えない。
これは、今まで投信信託の配当金の国内分課税繰り延べによるメリットが、ETFの買付手数料がなくなったことによるメリットと拮抗していることと思われます。
手数料だけで考えれば、ドル転にかかる費用が約0.04%(1ドル105円でドル転する場合、ETF信託報酬料が0.03%。
と圧倒的にETFの方が手数料で勝っています。
しかし、楽天VTIに関しては配当金が自動的に基準価額に反映される。
すなわち、配当金の複利を受けることが出来ます。
こうして、メリット同士が相殺しあい、今回結果としては拮抗しています。
楽天VTIとVTIに大きな違いがなくなりました
理由
- 投信のメリットである配当金の再投資
- 投信のデメリットである信託報酬料の高さ
- ETFのメリットである信託報酬料の安さ
- ETFのデメリットであるドル転費用
これらのメリット・デメリットがお互いに拮抗している。
あとがき
今回は、楽天VTIとVTIについて再度検討しなおしてみました。
結果は本当に以外なものとなってしまいました。個人的な見解としては、楽天VTIを選ぶと思います。
理由としては、これからの楽天VTI信託報酬料が安くなることに期待するのと、配当金の再投資です。
楽天VTIはまだ設定されて日が浅いので今回の検証では白黒つけることが出来ませんでしたが、配当金の再投資は複利の力をそれだけ受けることが出来るので有利なのではないかと考えています。
ちなみに、今回VTIの配当によって買えたのは1口のみでした。。。ETFの配当金を再投資するには、毎月5万円では時間がかかるようです。
Excelシートについては、今回も公開したいと思います。しばしお待ちを。
米国株村参加しました。