こんにちは、ナスビーニョの備忘録へようこそ。
これは、しがない銀行員である私が長期運用をしていく様子をリアルタイムで記録していく物語です。
以前は、暴落時の方針について書きました。
暴落時の買付けルール
- ETFは、直近の高値から7%下落するごとに20%の資金を投入
- レバレッジETF、同様に20%下落するごとに20%の資金を投入
今回は5月に起こった出来事のうち、私が気になったものを振り返ります。(日経新聞の記事をつけているので、記事を読むだけでも面白いと思います。)
始める前に、S&P500の1ヶ月の値動きを載せておきます。
目次
1.バフェットの航空株売却(5/2)
バフェットさんが、
- デルタ航空
- アメリカン航空
- ユナイテッド航空
- サウスウェスト航空
を売却しました。
以下日経新聞からの引用です。
このほど売却したのはデルタのほか、アメリカン航空、ユナイテッド航空、サウスウエスト航空の4社。バフェット氏は2月にデルタ株をいったん買い増したことについて「間違いだった」と認めた。「外出制限が人々の行動に与える影響は分からない。3~4年後に、昨年までのように飛行機に乗るようになるのか見通せない」と悲観的な見方を示した。
このように、バフェットさんは新型コロナウイルスの影響により、従来の人の動きがなくなるのではないかと考えています。
特に深刻なのは、ビジネストリップです。
航空会社の顧客から得た利益のうち、60%はビジネストリップです。観光については新型コロナウイルスが収束すれば、需要が復活することは容易に予測できます。
参考:How Much of Airlines’ Revenue Comes From Business Travelers?
しかしビジネストリップについては、今回の新型コロナによる影響でオンラインミーティングで済んでしまうことが分かった事例もあるのではないかと思います。
バフェットさんはこういったことから、新型コロナによってパラダイムシフト(生活様式や文化の大きな変化)が起こるのではないかと考えている訳です。
このニュースは多くの人にとって衝撃的であったのではないでしょうか。航空株は今までバリュー株という認識が強く、バフェットさんの投資方法が好きな人は保有している人も多いでしょう。
私も、バフェット氏が2月に買増ししたデルタ株を売却をし、「考え方が間違っていた」と素直に認めたことには衝撃的でした。
またバフェットさんは銀行株についても売却したと発表しています。
これにより、バークシャー社はかなり現金が増えていると聞きます。記事においては、20年3月末に過去最高の現金を保有していると書かれてあります。
果たして、バフェットさんの言う通り、新型コロナによるパラダイムシフトは起こるのでしょうか。次の動きに注目したいです。
2.雇用統計の大暴落(5/8)
参考記事:米失業率、戦後最悪の14%、4月は就業者が2050万人減
5月8日に発表された、米雇用統計にて失業率が最悪の14.7%を記録しました。
ここで失業率の推移を見てみます。
一方で、株価については5月8日の雇用統計を受けて上昇しました。
お馴染みのリアルタイムで質問が来ました。これは、雇用統計の内訳に注目すると投資家の思考が分かります。
今回の雇用統計は数字こそ最悪だったものの、一時的な解雇が大半を占めるなど新型コロナが収束すれば失業率はまた通常通りになるだろうとの見方が広まったのです。
また、予想失業率は16%であったこと、FRBの金融緩和が期待できるといったその他の要因も考えられます。
FRBは2つの使命があり、
- 物価の安定
- 雇用の最大化
となっています。(ちなみに日銀は物価の安定と金融システムの安定)
雇用統計が最悪の数字となった訳ですが、これにより更なる金融緩和対策などのFRBの政策が期待できるとも考えられるわけです。
このニュースは、数字がショッキングだったこと、そして数字とは逆に株価が上昇したことが更に驚きでした。
3.パウエル氏の発言によりダウ下落(5/13)
参考記事:NYダウ516ドル安 FRB議長発言で
パウエルさんのは発言により、2020年の5月の底値になる下落を記録しました。
以下日経新聞からの引用です。
パウエル議長は13日午前の講演で「第2次世界大戦以降のどの不況よりもはるかに悪い」との認識を示した。必要な対応をとっていく姿勢も改めて強調したものの、投資家の不安を駆り立てた。
パウエルさんのこの発言によりダウが516ドル安となりました。前日にも457ドル安となっていたので12日・13日と合わせて1,000ドル近く下落したことになります。
記事にも書いてある通り、これから経済回復に向かっていくと思っていた投資家の思惑を裏切るような発言でした。
ここで売られたのは
- 航空会社
- 銀行
- エネルギー
- レジャー・消費
です。
そうです。今回取り上げたようにバフェットさんが売却したニュースがパウエルさんの発言によってかなり深刻なものと捉えられました。
航空株を集めたETFであるJETSはこの週に12%も下落しています。
また、雇用統計の数字は予想よりも良かったのですが、パウエルさんの発言により長期的に失業率の改善が見られないということもあるのではないか、そして経済が不況となってしまう恐れがあるという見方も広まったのが原因です。
バフェットさんの航空株売却、そして雇用統計の悪化、パウエルさんの発言、ここまでが一連の流れになっています。FRB総裁の発言の影響は大きいと改めて感じさせられた出来事でした。
もちろん、パウエルさんの発言のみで下落するわけではなく、下落の他の要因としては
- ロックダウン長期化による経済停滞の恐れ
- 新型コロナの第二波への警戒
- 米中関係の悪化
などもあったようです。
4.ラッキンコーヒーがナスダック上場廃止(5/22)
参考記事:中国のラッキンコーヒー、米ナスダックから上場廃止告知
ラッキンコーヒーは2017年創業。そして2019年5月にかつてない最速スピードでナスダック上場を果たした新興企業でした。
スタバと比較され、その成長ぶりから保有していた人も多かったと予想します。
不正が発覚したのは4月1日です。売上高を水増ししていたことが判明すると、株価はすぐに数ドル台まで暴落しました。
以下日経記事から引用です。
急成長に疑問を投げかけたのが米投資会社のマディー・ウォーターズが20年初めに公表したリポートだ。1000近い店舗への顧客の出入りを監視カメラなどで1万時間以上観察し、売上高が水増しされている可能性を指摘した。ラッキンは当時、全面的に否定していた。4月2日の発表でも詳細は明かしていないが、不正があったこと自体は認めるに至った。
引用記事:中国ラッキンが会計不正 スタバの対抗馬
発見したのは空売りヘッジファンドと呼ばれる会社です。彼らは1万時間も監視カメラで記録し続けたそうです。彼らは中国の新興企業を狙い、粉飾決算を見抜くことで空売りをし稼ぐと言う訳です。
また、ラッキンコーヒーの粉飾事件はさらに波紋を広げました。
参考記事:米、中国勢の上場制限加速も トランプ氏「調査」指示
中国の上場に制限をかけるといった内容です。
- 外国の政府の支配下にないこと
- 監査を米国が検査できること
- 検査を3年連続拒否した場合は上場廃止
ラッキンコーヒーの粉飾による上場廃止だけでなく、他の中国ADRにも影響を及ぼしそうなため、このニュースを取り上げてみました。
これに加え、米中関係もまた悪くなってきているので中国ADRに投資するのは控えたほうよさそうです。
個人的な体験談ですが、過去に保有していた中国の教育会社TALが同じく空売りファンドのレポートによって下落したということがありました。
(粉飾を見抜くということは一般人はかなり難しいです。
基本的には上場会社は監査というのを受けなければなりません。監査とは、公認会計士が決算の内容を虚偽の内容が含まれていないかどうかチェックするのです。
監査においては、財務諸表を作るうえで根幹となる伝票の確認や、棚卸資産の確認、預金や借入の確認など様々なチェックが第3者の目で行われます。
もし不正が発覚すれば、不正をした会社はもちろん不正を見抜けなかった監査法人も批判されます。なので監査法人も全力でチェックする訳です。
例えば、東芝の粉飾決算の際には見抜けなった会計監査法人がかなり叩かれ、監査のあり方が大きく問題になりました。
私たち一般人が決算を見るのは会計監査が終わった後なので、基本的には不正がないものとして世にだされています。そう言う訳で、粉飾を見つけるのは難しいということです)
あとがき(しがないファンドのポジション)
以上、気になった記事を紹介しました。
5月の後半に入ると、経済の回復に期待がかかり株価は上昇してきました。実は5月13日の暴落では指数が6.5%下落していたのであと少しで、初めての暴落ルールが適用されるところでした。
底値で買付できなかったのは残念ですが、22日にSPXLとVIGを合計で15万円分買い増ししています。
しがないファンドの調子自体はよく、現在は4万弱の含み益があります。単純リターンは9.14%です。
SPXLを使っているので上昇相場で指数をアウトパフォーム出来るのは当然なので、下落に備えていきたいところです。
300万円に達したときには、しがないファンドの改名をしたいと思っています!!
今回は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございます。